August 16, 2015

名実ともに「もはや戦後ではない。」

僕が小学生の時分には、まだ「おじいさん、おばあさんに戦争の話を聞いてみましょう。」という夏休みの宿題がありました。当時は戦後30〜40年、戦争体験者の多くがまだ存命だったのです。

9月。二学期が始まって、それぞれが聞いてきたおじいさん、おばあさんの戦争の話を教室で披露するんだけど、なんか僕のだけ空気が違う。みんな、つらく悲しく悲惨な話で、「だから戦争はいけません。」という結論になるのだけど、なぜか僕の持ってきた話は武勇伝。お盆に父方の実家に行った折に曽祖父に聞いてきた戦争の話は、妙に勇ましいエピソードが続き、最後は戦勝を喜んだところで終わっている。

そう、僕の曽祖父が出征した戦争は第一次世界大戦で、僕に語ったのもそのときの体験だったんです。彼は第二次世界対戦の終戦時には50歳手前、高齢で徴兵されなかったらしい。どおりで話が合わないわけです。

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そして戦後70年。その曽祖父も僕が大学生の時に96歳で他界。

第一次世界大戦を覚えている人はほぼ絶えて、第二次世界大戦の体験は歴史と呼び換えられています。直接戦争を体験した人の声を聞くことも減り、名実ともに「もはや戦後ではない。」時代なのだなと、8月14日に発表された戦後70年総理談話を読みながら改めて実感しております。